免疫力
免疫力-抵抗力のある体をつくる食生活
毎日元気に過ごしたい!そのためには、免疫力を上げて病気になりにくい抵抗力のある体をつくる食生活に心掛けましょう。風邪をひきやすい、最近疲れている、お腹をこわしやすかったり炎症を起こしやすいと思ったらそれは体内にはいってくる「異物」への抵抗力が低下しているサインかもしれません。
免疫力とは:
「異物」と闘う力。わたしたちの体内に容易に侵入してくる「異物」は、菌、 ウイルス(風邪の原因!)、カビ、バクテリア、アレルギー反応を引き起こす元となるアレルゲン…などさまざま。呼吸や食事で侵入してくる「異物」以外にも、過剰に増えた活性酸素、ガン細胞など体内で作り出されてしまう「異物」もあります。そして生命を維持するために、カラダはそんな「異物」と闘い排除しようとします。その仕組みが 「免疫力」です。
もし免疫力がなかったら:
「異物」によるダメージをうけ、カラダに様々な症状となってあらわれてきます。そういえば風邪をひく時はカラダが弱っている時、ではありませんか?免疫力は、わたしたちの健康を維持するために、人間が生きていく上で欠かせない力。あなたの免疫力は低下していませんか?
では、年齢とともに骨はどのように変化していくのでしょう? 右の図からもわかるように、生まれてから20歳までの成長過程は、骨の形成期です。この時期にしっかりした骨格をつくることが、それ以後の人生にとって大変重要です。というのも、骨量は30歳代でプラトーに達した後は、加齢とともに次第に減少していくからです。
仕事や遊びで同じように無理しても、疲れがすぐ出ちゃう人と元気な人とがいますよね。それは実は「免疫力」の差かもしれません。免疫力=抵抗力、あなたに自然に備わった健康を維持する力。さっそくあなたと、あなたの大切な人の免疫力をチェック!
第2段階:ヘルパーT細胞に報告
マクロファージが敵と闘うとその報告がヘルパーT細胞という司令官に届けらます。
第3段階:ヘルパーT細胞が司令を出す
報告を受けたヘルパーT細胞はマクロファージをさらに活性化し、より強力なキラーT細胞に敵を攻撃するように司令を出し、またB細胞に最終兵器を投入するよう司令を出します。
第1段階:無差別に攻める
マクロファージは常に、異物が入り込んでいないかパトロールしている。マクロファージは「大食らい」の意味で、その名の通り異物に出くわすと食べて分解してしまいます。
第4段階:マクロファージが
定めた目標を攻撃
キラーT細胞は攻撃的な細胞なので、こうなると戦いは本格化します。
第5段階:目標を定めてさらに攻める最終兵器でとどめ!
免疫システムの最終段階はヘルパーT細胞の指示を受けてB細胞が最終兵器(抗体)を発射します。異物は抗体にとどめを刺され消滅に至ります。 ヘルパーT細胞やB細胞は一度攻撃した異物を忘れません。再度、侵入を特定し、敵に応じた抗体ですばやく対応、なのでほとんどの人が一度はしかにかかると二度とかからないのは、ヘルパーT細胞やB細胞のお陰です。
免疫力を低下させる要因を理解すれば、ある程度の対策がたてられるというもの。下の4つが主な要因です。あなたの心当たりは?
生活習慣
暴飲暴食、偏食、睡眠不足などを繰り返すと、免疫力は確実に低下します。まずは食事で免疫細胞にバランスのとれた栄養を補給しましょう。また充分な睡眠がないと、免疫システムを活発にするたんぱく質合成ができません。免疫細胞はリンパ球として多く存在しますから、適度な運動やマッサージでリンパ液の循環を活発にすることも免疫力を高めます。それから薬の飲みすぎは、本来人間がもっている自然治癒力を低下させます。あまり薬に頼らないで。
環境
あなたを取り巻く環境は健康的ですか? 排気ガス、騒音、タバコの煙、エアコンからのカビ、家ダニ、建材からの有害物質など、さまざまな物理的異物があふれているでしょう。最近気になる食品添加物だって物理的異物のひとつです。働き者の免疫細胞も、敵の数が増えてはたまったものじゃありません。よい空気を吸いに出かける、換気・掃除をまめにする、添加物の少ない食品を選ぶなど、できることから始めてみて
ストレス
そのメカニズムはまだ究明されていませんが、さまざまな実験や調査により、ストレスが免疫力を低下させることがわかってきています。阪神大震災後の生活でストレスを受けていると答えた人は、ストレスを感じないと答えた人よりも10~25%も免疫力が低下していた、という大阪大学医学部の調査結果などがその例です。反対に、シルバーコーラス部の女性のNK細胞(免疫細胞のひとつ)の活性度を調べたところ、平均値よりも20~30%高く、さらにコーラスの練習後の値はもっと高くなっていたとの調査結果にもみられるように、精神が高揚したり開放的になることで免疫力は増すと言われています。「笑う」「前向きに考える」「ストレスを上手に発散させる」などの工夫をしてみて。
老化
免疫力は年齢とともに必ず低下します。これは避けられないことです。どんなに規則正しい健康的な生活を送っていても、低下そのものを止めることはできません。免疫細胞を作り出している胸腺の大きさも、10代をピークに下降の一途をたどります。せめて免疫力を高める食事と生活習慣で、減りゆく免疫力を補いましょう!
乳酸菌
ヨーグルトに入っていることで知られる乳酸菌やプロバイオティクスは、その数何千種にものぼります。その中でも、胃酸で死なずに生きて腸までたどりつく、免疫力アップに貢献度の高い菌があります。
腸内を酸性に
乳酸菌の一般的な働きは、乳酸を作って腸内を酸性に保つこと。病原菌などの多くの悪玉菌は酸に弱いので増殖が防げられます。
腸壁にバリア
乳酸菌という乳酸菌は腸壁への吸着力が高く、腸粘膜にバリアを形成します。悪玉菌は繁殖の足がかりを奪われ増殖することができなくなります。またバリアは腸壁から細胞内に病原菌が侵入するのを防ぎます。
免疫システムを活性化
腸内フローラとは直接関係はありませんが、最近の研究で乳酸菌には免疫細胞マクロファージを刺激して活性化させる働きのあることがわかってきました。またビフィズス菌、菌が病原菌を攻撃する抗体(IgA)の分泌そのものを促進するなど、免疫システムに直接働きかけることにも注目が集まっています。
◎乳酸菌を生きたまま腸内に届けるには、ヨーグルトの形でとるのが理想的です。
脂肪・タンパク質
脂肪、動物性たんぱく質の摂りすぎに注意!これは悪玉菌を増殖させないために気をつけたいポイントです。
有害物質アミンを生成させない!
悪玉菌はたんぱく質や脂肪が大好きです。悪玉菌は動物性たんぱく質や動物性脂肪などから、アンモニアやアミンといった有害物質を生成します。アミンはガンや成人病の遠因となる物質です。
脂肪分過多は免疫力が低下
脂肪分過多の食生活だと高脂血になり、免疫システムが十分に働かなくなります。
水分・食物繊維
水分・食物繊維・脂質など便秘対策の食品。便秘は腸の働きが低下したことで起こります。それは悪玉菌増殖のチャンスでもあります。便秘対策には次のような食事を心掛けることで、健全な腸内フローラ環境を保ちましょう。
水分で新陳代謝
水分は腸を刺激します。腸が蠕動運動をすると、腸壁に吸着して増殖しようとしていた悪玉菌がはがれ排出されてしまいます。悪玉菌はたじたじです。
食物繊維でからめとる
食物繊維は有害物質だけではなく、腸内の脂肪もからめとって排出してくれます。ごぼう、さつま芋、海草、寒天、など意識的に摂るようにしましょう。
良質の脂質
青魚に多く含まれる脂質や、牛乳、オリーブオイル、ごま油など質のよい油分を適量とることでお通じがよくなります。あくまで適量、をお忘れなく。
母乳(幼児)
抗体が入っている母乳は非常に優秀な栄養食です。栄養だけでなく、お母さんの免疫が含まれているからです。粉ミルクが進化した今も、母乳で育った赤ちゃんの方が病気にかかりにくいと言うのはそのためです。特に出産後初めて出る「初乳」は、免疫ミルクといわれるほど。今妊娠中のママは初乳を飲ませてあげられるといいですね。
ビフィズス菌を増やす
母乳にビフィズス菌そのものが含まれているのではなく、菌を増やす物質が含まれているようです。そのおかげで、赤ちゃんの腸内フローラはビフィズス菌でいっぱい。赤ちゃんは生まれてから半年ほどは、自前の免疫をもつことができません。その間、腸内フローラを善玉菌優勢に保っておけるように、母乳の中に驚くぺきパワーが秘められているのでしょう。離乳食へと移行する時期になったら、母乳が減った分、ヨーグルトなどで善玉菌を補ってあげるようにしてください。
※プロバイオティクス
よく耳にする「プロバイオティクス」は「口から摂取され、人間の腸内微生物のバランスを改善する働きをもち、人体によい影響を与える生きた微生物」のこと。
- 病原性がない
- 生きて腸に到達する(胃酸で死なない)
- 腸粘膜に吸着する能力が高い
- 腸内の自然の構成要素であることの4つがプロバイオティクスの必須条件。
ゆえに、からだには安心で、腸内環境を改善し、腸内フローラのバランスを保ちます。 生活が多様化して、自然のものを旬の時期にとることが難しくなった現代、今まで食事で保たれていた体力、抵抗力といった健康が危機に瀕しています。でも食事は本来、食べる薬のようなもの。「人体によい影響を与える」という「プロバイオティクス」を含む食品は、薬に頼らず食べて健康にという医食同源の考え方にぴったりなのです。毎日の生活の中で「プロバイオティクス」に注目してみてください。