女性の病気事典

女性の病気事典 – 乳ガン

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女性の病気事典:気をつけたい女性の病気・トラブル・症状をピックアップ。少しでも気になる時は、早めに病院を受診するようにしましょう。

乳ガンって?

乳ガンって?

乳ガンは、日本人女性では胃ガンに次いで多いガンです。毎年約2万人の女性がかかっており、30歳以降の比較的若い世代から多く見られるのが特徴です。ここ近年増加傾向にあり、いずれ胃ガンの患者数を超えると考えられています。日本女性の発症率は現在アメリカの8分の1ですが、食生活の欧米化に伴い増加傾向にあります。大人の女性の乳房は、授乳期に乳汁をつくる「小葉」、乳汁を乳頭に運ぶ「乳管」、これらを包む「支持組織」「脂肪組織」「皮膚」からなっています(乳腺組織)。乳ガンの約90%はこの腺管から発生した「腺管ガン」と呼ばれているもの。残りの約5~10%は小葉から発生し「小葉ガン」と呼ばれています。このほか「炎症性乳ガン」と呼ばれる特殊な型の乳ガンもあります。

【医学事典より】                                                                

食生活の欧米化に伴い急増中で、現在胃がんを抜いて女性では罹患率が最も高いがんとなっています※。乳がんの症状は痛みを伴わないしこりが圧倒的に多いですから、痛くないなら大丈夫と自己診断をしないで専門医の診察を受けて下さい。自己検診などの啓発により2cm以下の早期がんで受診する人も増えています。
早期がんの場合、乳房温存術が一般に行われるようになっていますから、美容上も安心です。せっかく早期に気づいても、怖いからとか、恥ずかしいからと言って受診をためらっていると乳房温存術の適応がなくなり、摘出術をしなければならなくなってしまうことになりかねませんから、なるべく早く専門医を受診してください。乳がんの発症頻度は高いのですが、治療により治癒する人が多いため死亡率は少なくなっています。

どんな症状?

症状としては、

症状は、

  1. 乳房にしこりがある(横になって手のひらで触わった場合、筋のように硬く乳腺とはちがう)
  2. 乳頭から分泌物がでる(ウミのような白っぽいものや血液)
  3. 乳頭が“えくぼ”のように陥没している(鏡に写して外側から見ると体内から引っ張られるような感じになっている)

乳ガンは自己検診で発見できます。月に1回はチェックして、小さなしこりも見逃さないように。乳ガンは、触っても痛みがなく硬いものが多いのですが、中には触って痛いものもあります。触って痛くないから乳ガンではないと思わず、しこりが触れたら必ず、乳ガンの専門医を受診するようにして下さい。

【医学事典より】                                                                                   乳がんの診断は触診だけではなく、乳腺レントゲン撮影(マンモグラフィー)、超音波断層法などで行います。

  • 乳がん検診

「乳房にしこりがある」「乳頭から分泌物がでる」「乳房の一部がえくぼのように陥没している」などの気になる症状があったら、必ず専門医を受診しましょう。診療科は、医療機関によっても異なりますが、「乳腺外科」「乳腺科」が専門です。
とくに気になる症状がなくても、乳がんの早期発見のためには、1年に1回は乳がん検診を受けることが大切。乳がん検診では、おもに次のような検査が行われます。                                

  • 視触診

乳頭がへこんでいないか、乳房の大きさや形、皮膚の状態に異常はないかなどをみます。また触診により、しこりの有無や乳頭からの分泌物の有無を調べ、しこりがある場合は、その大きさ、形、硬さなどをチェックします。

  • 超音波検査

乳房全体にゼリーを塗り、乳房に超音波を発する機械をあてながら、モニターでチェックしていきます。この検査に痛みはありません。超音波検査ではしこりの内部の状態までみることができるので、ある程度、悪性・良性の判断もつけることができます。乳腺の発達している若い人、妊娠中の人に適している検査です。

  • マンモグラフィ検査

マンモグラフィは、乳房専門のX線による検査です。触診ではわからない小さなしこりや、しこりになる前のがんも見つけることができ、乳がん検査ではいまや欠かせないものです。
乳房を片方ずつ機械にはさみ、圧迫して、上下・左右の2方向を撮影します。
痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みが心配な方は、月経が終わった後に検査を受けるのがおすすめ。月経後は乳房の張りがおさまっているため、一般的に痛みが出にくいようです。
なおX線を使用するため、妊娠中および妊娠の可能性のある方は受けられません。

  • 乳房CTスキャン検査

CTスキャンは、X線を使って身体の断面図を撮影します。マンモグラフィのような圧迫による痛みもなく、乳房の内部の状態まで見ることができるので、ある程度、良性・悪性の判断もつけることができます。
乳房CTスキャン検査は、おもに腫瘍の有無や転移などをチェックするために用いられます。

監修:医学博士、元東京女子医学教師

有楽橋クリニック前院長 林泰

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