女性の病気事典 – 卵巣のう腫
女性の病気事典:気をつけたい女性の病気・トラブル・症状をピックアップ。少しでも気になる時は、早めに病院を受診するようにしましょう。
卵巣のう腫って?
卵巣のう腫って?卵巣にできる腫瘍には、比較的良性が多い「卵巣のう腫」と悪性の場合が多い「充実性腫瘍」があります。卵巣の腫瘍全体の割合でいうと約9割が「卵巣のう腫」で、その種類も3つに分類されます。
【医学事典より】良性卵巣腫瘍全般を卵巣のう腫ということもありますが、正しくは良性卵巣腫瘍のうち、内部に液体の成分が含まれるものを卵巣のう腫と言います。排卵前の卵子の周囲にたくさんの水が溜まり卵巣が腫れてみえる機能的なものから、歯や毛髪を含んだものまでさまざまな種類があります。
- 卵巣のう腫の種類
漿液性のう腫: 中にはさらさらした透明の液体が溜まっています。卵巣のう腫の中で、いちばん多くみられるタイプ。ほとんどの場合は良性です。
偽粘液性のう腫: ねばねばした粘液が溜まっています。年齢の高い女性にみられることが多く、のう腫が人間の頭ほどに巨大化することも。
皮様のう腫:毛髪や骨、歯などが含まれています。卵巣の中に髪や骨があるとは意外ですが、人間の臓器のもととなる胚細胞は、もともと卵巣の中にあると考えられています。
どんな症状?
症状が現れるのは、のう腫が大人のこぶし程に大きくなってからで、
- 妊娠しているわけではないのに下腹部が膨れてくる(通常ならば親指ぐらいの大きさの卵巣が、赤ちゃんの頭ぐらいに大きくなることもある)
- 下腹部を触るとしこりがある
- 腹痛、腰痛、便秘などを起こす(のう腫が膀胱や尿管、直腸などを圧迫するため)
- のう腫の根元がねじれた場合は(茎捻転)、かなりの激痛に襲われ、吐き気、出血、発熱をともなう
初期段階での自覚症状が少ないので、比較的良性とはいうものの、知らず知らずのうちに悪性化してしまう可能性がありますが、早めに発見されれば手術をせずに治療できる場合もあります。
【医学事典より】のう腫が小さいうちには、ほとんど症状があらわれません。
- のう腫が根元でねじれた場合は(茎捻転)、激烈な痛みが出現し、救急車で入院、緊急手術が必要になります。
良性であることがほとんどとはいうものの、知らず知らずのうちに悪性化してしまう可能性もあります。1年に1回は検診を受けて、早期発見を心がけましょう。早めに発見されれば手術をせずに治療できる場合もあります。